好奇心の貯まり場

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良い睡眠の条件とは?

寝たのに寝た気がしない…

近年の夏は異常に暑いです。数年前では年に1日あれば大騒ぎしていた熱帯夜も最近では当たり前のようにあります。冬は冬で寒さのせいでなかなか寝付けないといったことがあります。これでは季節で考えた時,ちゃんと寝られるのは春と秋だけ!?いつでもちゃんと寝たいですよね…

 

「睡眠は人生の3分の1です。良い眠りは良い布団から。」なんて売り文句もあります。

今回は,良い睡眠は何によって考えられるのかを調べてみました。

 

室内環境

まずは室内環境です。

寝るときにカーテンを閉めて,電気を消していますか?光を遮断することが重要です。ヒトの身体は光を感知して体内時計を調節しています。光を浴びていると活動時間だと勘違いしたまま眠ってしまい,しっかりと身体を休ませることができません。

もう少し具体的に説明すると,暗い中だと体内のメラトニン分泌量が増え,脈拍,体温などを低下させ,自然な入眠を誘うことができます。

 

音はもちろん静かなほうがいいです。ですが,ここで一番重要なのが自然であることです。自然で安定した環境であるほど安心感が得られ,落ち着いたリズムで眠りに入ることができます。無理に無音の状態にしてしまっても,不自然になり寝付けないことがあるため注意です。

 

気温は夏場は約25℃~26℃,冬場は約22℃~23℃が適温のようです。湿度は50%~60%くらいがよいとのことです(日本睡眠科学研究所より)。

 

寝心地の良さの調査研究

ここで面白い研究を見つけたので紹介します。google scholarで拾い読みしていたら見つけました。

女子大学生における睡眠の質に影響する要因の検討

http://www.jsnr.jp/search/docs/203504005.pdf

 

睡眠の質に影響を与える要因とその関連の強さについて研究した報告がこれです。

“Pittsburgh Sleep Quality Index”の日本語版という尺度を使用し睡眠の質を測定しています。影響要因は,社会学的要因・医学的要因・気質的及び心理的要因を取り上げています。

 

そして,重回帰分析の結果,睡眠の質と「起床時刻の前進」「足先の冷えの程度」「不安の度合い」が関連いていたことが分かっています。

 

普段の起床時刻よりも2時間以上早く起床しなければならないような状況で睡眠の質が下がってしまいます。日ごろからリズムを意識した生活をすることでこれを避ける必要があります。生活スタイルを変える際は変化が小さいようにゆっくり変えていくか,もしくは一気に変えてその後しばらくの間は定着するまで絶対に変えないというものがよさそうです。コロコロ変えてしまうと睡眠の質に悪影響を与えます。

 

布団に入って眠るまでに足先の冷えを感じる程度が強いほど睡眠の質が悪くなるようです。足を温めるという睡眠介入法は本当に有用みたいですね。冷えを改善するためには就寝前の入浴とストレッチです。熱帯夜はエアコンを使用して部屋を寒くしてしまいますが,足先の冷えは外部温度よりも体内での温度調整に起因します。湯船に浸かり,ちょっとしたストレッチを行うことで末梢からの体熱放散を適度に促し,足先の冷えを感じにくくします。

 

また,不安傾向のある人ほど睡眠の質が悪くなる傾向にあるようです。高ストレス負荷による症状として不眠症があるように,やはりメンタルと睡眠には密接な関係があります。不安や悩みは人それぞれに解消法があります。しかし,眠れることができない人は抱え込みがちの人にあるのではないでしょうか。眠る前に誰かに電話をするなど人との関わりを持つことで悩みを打ち明けるなどもその後の睡眠の質に良い影響を及ぼすのではないでしょうか。