日本でキャッシュレスが進まないのはなぜ? 中国との比較
キャッシュレスの波
最近国内でキャッシュレス決済に一気にに火がつき始めました。
先日LINEはLINE Payでの決済手数料を無料にしました。
やはりこの勢いに乗じて大きく出たいという気持ちが見えてきますね。
ですが,依然として日本では現金を使っている人が多いように思われます。
「現金に安心感がある」といったような声も聞こえてきます。
一方,モバイル決済大国の中国。こちらにはAlipay(アリペイ)やWechat Pay(ウィチャットペイ)といったようなモバイル決済の2大巨頭があります。
中国において,モバイル決済の市場規模は既に600兆円を超えています。つまり,モバイル決済で600兆円以上支払われているということです。
なぜ中国で広まり,日本では広まらないのでしょうか。これを国民性のような抽象的なものではなく,聞いた話などをまとめてちょっと考えてみました。
日本のお金はきれいすぎる
「お金にはいろんなバイキンがついてるから触ったら手を洗おう」なんてことを小学校で言われたように思います。
お金=汚いと教えられてきましたが見た目からはなかなかすぐに理解できるものではないです。
日本の紙幣は長くても5年経てば新しいものと代わり流通するようになります。硬貨はちょっとわかりませんが,見た目から触りたくなくなるようなものはあまり無いように思います。
しかし,海外に行くと分かりますが海外の紙幣はぐちゃぐちゃにされていたり,汚かったりと様々です。ぐちゃぐちゃにされているのは偽札ではないことの確認やピッタリ2枚重ならないようにするためなど理由があったりしますが,お金は見るからに汚いものが比較的多いように思われます。
このため,そもそも現金に触れたくないというインサイトをモバイル決済が解決してくれたから日本よりも海外のほうがモバイル決済が普及しているのではないでしょうか。
モバイル決済になくてはならないものが中国にはあった
そもそもモバイル決済をするときに必要なものは何でしょうか。
そう,モバイルにあたるスマートフォンです。
中国ではスマートフォンの普及が早くかつ満遍なく行われました。
そのスピードは非常に速く,博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンターによると2013年の時点で中国都市部のスマホ普及率は93%でした(因みに日本は45%)。
日本はインフラや通信機器に早い段階から恵まれ過ぎていたのではないでしょうか。
各家庭にほぼ必ず固定電話があり,携帯電話の普及も非常に早い時期から行われていまいた。そのため,ガラパゴスケータイと呼ばれるものも生まれそちらになれてしまっていました。
中国が経済的に成長してきたのはごく最近のことです。そのため,インフラ整備も経済成長とともに行っていました。中国では全ての家に固定電話があるような状況ではなかったと推測できます。また,あったとしても万全の通信環境があったかは疑問です。
急激な経済成長の最中,現われたのがスマートフォンでした。「家に固定電話を置いたり,携帯電話を持つより,より新しいスマートフォンを持った方が良いのでは?」という流れが素早いスマホ普及につながったと考えられます。
追い越し追い越され
先に走っていた日本が今では中国を追いかけている状況です。ですが,中国が現代のインフラが整ってしまったら,次の時代のインフラを整え始める国が現れ,中国はそれを追うことになるでしょう。そして,それは日本も同様です。現代ではなく次の時代を見据えて走ることで,他の国を追い越しもっと面白い国として時代を楽しめるのではないでしょうか。